ベテスダでの仕事というとまずデイサービスで皆でおでかけを企画したり、ケアホームでお風呂や食事の介助をしたり…というメンバーさんと直接関わる支援が思い浮かぶと思います。
もちろんそれが大半を占めるわけですが、支援の内容や方法もメンバーの体の状態や年齢に合わせて細かく修正したり、時には全くやっていなかったことを導入したりすることも大切な仕事です。
この部分は中々見学やインターンシップをしても見えにくい所だと思うので、新たな支援の始める際の手順について説明します。(あくまでも私なりのやり方です。)
⓪情報収集
新しい支援は急に思いつきで始まるものではありません。
・職員の会議
普段と様子の違う場面の共有とその対応方法
・メンバーの希望
これがしたい、ここが痛い
・メンバーの状態
体重の著しい増減、食事に集中できない、眠れないなど
・ご家族との会話
家で水分が摂りにくい、注意してほしいことなど
・外部からの意見
医師の診断、カンファレンス、栄養士の助言
など普段の会議やご家族からの引き継ぎ、スタッフ同士の雑談の中から、メンバーや家族、スタッフの困りごとを汲み取り支援を考えていきます。
①担当者会議
担当者一人で支援内容を考えることもありますが、デイサービスとケアホーム双方に関わる内容の時は、担当者で集まり支援内容や方針を相談します。どの場面で何をするかなど細かくルールや起こりうることの想定も考えます。
②部署別会議で確認
ある程度案が固まったら、会議で確認します。担当者だけでは気づかなかった課題がないか部署別会議で確認します。
③ご家族に相談・説明
薬の変更、通院先の変更、メンバーに金銭的な負担がかかるもの、今までやっていたことを止める、始める際などにご家族に連絡、相談をします。ご家族とスタッフが同じ悩みを抱えていない場合もあり、一度だけでは理解や了承を頂けないこともあります。
④支援開始に向けての準備
今回はお金に関する試みだったため、お金を管理するための金庫、封筒、ポーチの用意、ご家族用資料、メンバー用資料、スタッフ用資料、視覚的にわかりやすいカレンダーの用意などを準備しました。
特に会議をする度にスタッフ用資料を何度も手直しました。
⑤部署別会議、支援者会議で共有
再度部署別会議にて支援方法やルールの共有を行います。ここで出た意見や質問を支援に反映していきます。また私はケアホームの担当ですが、デイサービスの会議にも参加していました。
⑥メンバーへの説明
実施にあたり担当者からメンバーに説明します。ちなみにメンバーの返事は「わからへん」でした。
⑦実施!
準備期間を経てついに実施です!
もちろんメンバーの体調に合わせ、すぐにできること(食事の見直し、滑り止めマットを敷くなど)はすぐに取り組みますが、今回はご家族の説明も2回行ったので、案の企画から実施まで一ヶ月半ほどかかっています。
⑦見直し、評価
導入後も逐次見直しし、メンバー、スタッフがわかりやすい形に直していきます。また取り組んだことでどのような変化があったかなど評価も今後取っていきます。
以上が新しい支援を導入するまでの流れです。今回は話せるメンバーということもあり、直接説明したりする機会を儲けたり、お金のやりとりに関することなのでご家族にも2回説明したりとより丁寧な導入までの道のりでした。
皆さんの見ている現場の支援は、見えないところで様々な準備、調整、修正を経て行われていることを少し知っていただけると嬉しいです!